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テックがいっぱい

カスタマイズ可能な延べ板ハンコをOpenSCADで作って、3Dプリントしてみました。

はじめに

とある事情から役所向けの書類 10枚以上に名前、住所、電話番号などをひたすら書かなければいけなくなりました。

なんて先進的な国なのでしょう。

愚痴ってもしょうがないので、エンジニアリングで解決します。

 

Webで調べるとスタンプを押して、その苦境を乗り越えている人もいるようです。

 

なるほど、ではスタンプを3Dプリントしよう。

 

3Dプリント

適当にThingiverseで漁ると良い感じのモデルが出てきます。

www.thingiverse.com

 

OpenSCADでカスタマイズできるのでピッタリです。

フォントが日本語非対応なので以下の記事を参考に変更しました。

qiita.com

text(text, valign = "center", font = "Meiryo UI:style=Regular")

f:id:arundolon:20220404001650j:plain

第一弾。印刷の向きは画像の通り。住所が印字してあるので裏向けています。

プリントしてみますが、印影がろくにでない...

ゲッソリしてぼやきツイートをしてみると、ちゃたろう (@ichizendad) さんから良いアドバイスを頂きました。

 

なるほど!

自分はアイロニングどころか、印面がxy平面にきていませんでした。

 

今のモデルだと、ハンドルが邪魔なので、延べ板状に変更します。

f:id:arundolon:20220404002504p:plain

見本です。

そこでプリントしてみると、文字が中途半端!

f:id:arundolon:20220404002523p:plain

CuraのPreview画面。文字が消失しています。

どうやら細すぎる構造は刷ってくれないようです (当たり前?)

細いノズルを変えても良いですが、面倒なのでフォントをBoldに変えて太字にします。

text(text, valign = "center", font = "Meiryo UI:style=Bold")

 

プリントして、アドバイスどおり、紙やすりで研磨しました。

 

このあたりを使えば良さそうです。

サンディングスティックはこのモデルを使いました。

www.thingiverse.com

 

今回の目的である住所などのスタンプはガッツリ個人情報でお見せできないので、「OK」という文字列のスタンプをプリントしてみました。

f:id:arundolon:20220404001111j:plain

スタンプ結果

左が研磨前で、右が研磨後です。

良い感じに印影が出てますね。

このシンプルな文字と短い文字列だとあまり恩恵が感じられませんが、

住所のような複雑で長い文字だとかなり有効です。

 

一旦インクをつけてスタンプした後に研磨すると、どこが研磨できたかが分かりやすいです。歯磨きのプラークチェッカーと似てますね。

f:id:arundolon:20220404001347j:plain

サンディング

まとめ

カスタマイズ可能な延べ板ハンコをOpenSCADで作って (リミックスですが)、3Dプリントしてみました。

ポイントをまとめます。

  • 印面をxy平面にする
  • アイロニングする (CuraであればEnable Ironingにチェック)
  • Previewでちゃんと文字がプリントされそうか確認する
  • 紙ヤスリで研磨する

 

例によってThingiverseで公開しています。

元のモデルがShare-Alikeなので、Creative Commons - Attribution - Share Alikeで公開しました。

www.thingiverse.com

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ゆうパケットポスト発送用シール用に4 cmの厚さ測定定規を3Dプリントしてみました

ゆうパケットポスト発送用シール用に4 cmの厚さ測定定規を3Dプリントしてみました。

 

ゆうパケットポスト発送用シール用

メルカリ愛用者の自分にとって、最近のビッグニュースは「ゆうパケットポスト発送用シール」の登場です。

 

今まではクリックポストを使っていました。

clickpost.jp

 

34 cm x 25 cm x 3 cm、1 kg以内であれば、185円で発送でき、

ラベルをプリントアウトして貼り付けて郵便ポストに投函するだけなので、かなり便利です。

 

ゆうパケットポスト発送用シールは更にその上を行きます。

www.post.japanpost.jp

3辺合計60cm以内、長辺34cm以内、かつ、郵便ポストに投かん可能なもの(重さ2kg以下)

と上位互換です。

シールの値段を含めて送料220円であり、クリックポストと比べて35円高くなりますが、ラベル印刷不要、匿名配送可能となります。

 

さらに郵便ポストの投函口のサイズは4 cmなので、4 cmの厚みのものが投函可能となります。かなり革命的です。

詳細は以下が分かりやすいです。

hazimete-furimamercari.com

 

厚さ測定定規

ついに3 cmの壁を突破できるようになりましたが、些細な問題が浮上します。

 

4 cmの厚みをどう測ろう... 

 

小さなものであればノギスでOKですが、大きいものだと難しいです。

百均で買った厚さ測定定規だと3 cmまでしか計測できません。

f:id:arundolon:20220306224139j:plain

百均の厚さ測定定規

Amazonでも売ってますね。

厚さ測定定規を買う前は、ダンボール製の自作定規を使っていましたが、今は3Dプリンターがあります。3Dモデリングして、3Dプリントしてみることにします。

 

Fusion 360で適当にモデリングします。
目盛りが面倒くさそうな気がしましたが、矩形状パターンを使えば簡単です。

f:id:arundolon:20220306223541p:plain

作成した3Dモデル

プリントしてみます。

Creality Ender 3 V2なのでベッドサイズが220 mm x 220 mmしかありません。

斜めに配置してプリントします。割とギリギリでした。

Enable Ironingにチェックをしたので少し長くなっていますがそれでも2時間強です。

f:id:arundolon:20220306223304p:plain

Curaの画面

できました。良い感じです。

f:id:arundolon:20220306224240j:plain

印刷完了!

早速通してみます。厚みを2 mmにしたので、割とがっちりしています。

文字を凹にせず、凸にして墨入れしても良かったかもしれませんが、モノを通すだけなのでまぁ良いでしょう。

f:id:arundolon:20220306224311j:plain

キーケースで計測テスト

これでメルカリライフが捗りそうです。

ゆうパケットポスト発送用シールは、メルカリだけでなく、ラクマヤフオク、PayPayフリマでも使えるようです。便利ですね。

 

例によってThingiverseで公開しています。
ライセンスはCreative Commons - Attribution - Non-Commercial - Share Alikeです。

www.thingiverse.com

 

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Fusion 360が起動しない謎な問題を謎な手段で解決しました

3Dプリンティングするために、3D CADソフトであるAutodesk Fusion 360にお世話になりまくっています。

しかし、PCを買い替えてから、どうも調子が悪いです。

Windows 11のせいでしょうか?謎です。

 

症状

症状としては、
起動→スプラッシュ画面が出る→作成画面のグリッド等が部分的に表示される→無言で落ちる

というような感じです。

f:id:arundolon:20220306133952p:plain

スプラッシュ画面

f:id:arundolon:20220306134006p:plain

作成画面 このあと落ちます

エラーが出てくれれば多少対処できますが、何も出ないのでよくわかりません。

 

適当に検索すると公式ページが出てきます。

症状もかなり似ているのでこれで良さそうです。

knowledge.autodesk.com

これに従って、再起動やら、xmlファイル削除やら、グラフィックドライバーを更新やら、アンチウイルスソフトの設定変更やら色々しましたが、全くもって効果がありません。

再インストールして復活しましたが、しばらくすると再発します。

また再インストールか... とげんなりしてしまいました。

 

解決手段

藁にもすがる思いでTwitterで検索してみると以下のような投稿がありました。

 

んな馬鹿なと思いつつ、ダメ元でやってみると起動するじゃありませんか!

嬉しすぎてツイートしてしまいました。

 

Fusion 360 Client Downloader.exe実行で余計なファイルを削除したりしているのでしょうか?とにかく謎な手段で解決できました。

 

わりかし再現性もあるようで他にも報告がありました。

 

まとめ

Fusion 360を起動しても、すぐ落ちる問題を

Fusion 360Fusion 360 Client Downloader.exeの同時起動で解決しました。

この謎な解決手段についてまとめられている記事がなかったので書いてみました。

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照明スイッチのカバーをモデリングして3Dプリントしてみました。

照明スイッチのカバーをモデリングして3Dプリントしてみました。

  • 背景
  • 3Dモデリング (Fusion 360)
    • 環境
    • 照明カバー (全体版)
    • 照明カバー (部分版)
  • 3Dプリントと設置

背景

トイレや玄関の照明を人感センサーのものに置き換えています。なんだかんだで3つも使っています (トイレ1, 玄関1, 廊下1)。

照明の頻度の少ないものに対してスイッチを切り替えるのは地味に面倒なので、かなり快適になります。玄関に至っては真っ暗でスイッチの場所がわからない... ということもあります。

 

人感センサーのライトは良いのですが、つい癖で照明のスイッチを押してしまいます。それを防ぐために養生テープで固定するのですが、これがダサい...

f:id:arundolon:20220227000408j:plain

ダサい!

そこで3Dモデリングして3Dプリントしてみました。

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SwitchBot Hub Mini用にリングフックを作ってみました

今更ですが、ブラックフライデーセールでお安かったのでAmazon Echo Dot 3とSwitchBot Hub Miniを買いました。

SwitchBot Hub Miniの置き場はなかなか悩ましいですが、裏に壁掛け用の穴があります。

壁にネジを取り付ければ引っ掛けられますが、穴を開けたくありません...

良い感じの場所にカーテンの房掛けがあったのでそれを利用します。

 

まず簡単そうなのでSwitchBot Hub Miniのモデルを作ります。

CADは例によってAutoDesk Fusion360です。

f:id:arundolon:20220211165214p:plain

SwitchBot Hub Miniの (雑な) 3Dモデル

これに合わせてフックを作っていきます。

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リングフックも追加

スライサーに入れてみるとたったの12分。

実用的なものは結構コンパクトだったりします。

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Curaでスライス

良い感じにプリントできました。

f:id:arundolon:20220211231417j:plain

プリント結果

狙い通りにハマってくれます。

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SwitchBot Hub Miniの裏面

カーテンの房掛けに引っ掛けてみると... うまく設置できました。

f:id:arundolon:20220211231545j:plain

カーテンの房掛けにSwitchBot Hub Miniを設置

 

照明のリモコンにも使えました。なかなか汎用性がありそうです。

 

今回作ったモデルもThingiverseで公開しています。

www.thingiverse.com

MendeleyからZeteroへの移行メモ (アノテーションつき)

経緯

論文を読むのにMendeleyを長く使っていました (2013年頃から?)。

複数PC間でDropboxを使って同期したりしていましたが、多重にデータがダウンロードされたり、クラッシュしたりとなかなか難ありでした。

このDropboxでの同期では、パスを一致させないといけなかったので、Windowsタブレットに合わせるために泣く泣くCドライブに入れていました。

Windowsタブレットで論文を読まなくなったので、Dドライブに移行しようしたついでに色々調べたところ、Zoteroという良さげな論文管理ソフトを発見してしまいました。

 

Mendeleyからインポートできるということなのでやってみましたが、アノテーション  (ハイライトやノート) のインポートまで書いてある記事がなかったので、書いてみました。

 

参考にした記事

以下を参考にしてましたが、アノテーションの移行までは書かれていませんでした。

ill-identified.hatenablog.com

上記記事が参考にしている記事は以下のようです。

www.zotero.org

移行手順

以下の手順に倣います。

www.zotero.org

  1. 現行のMendeleyで同期を完了させる。
  2. 現行のMendeley Desktopで、バックアップ (Help → Create Backup...)。
  3. 現行のMendeley Desktopを閉じる。
  4. Mendeley Desktop 1.18をDL & インストールする (リンクの一番下)
    (最新版のMendeley Desktopではデータベースの暗号化がされているため)
  5. Mendeley Desktop 1.18を起動し、同期。
  6. すべてのデータとファイルが利用可能か確認する (利用できないファイルがある場合は、追加して再起動すれば良いかもしれないとのこと)。
  7. Zotero Betaをインストール (ハイライトとノートをインポートするにはZotero Betaが必要とのこと)。
  8. Zoteroを起動し、インポートをする (ファイル → インポート → [ファイルの選択] → Mendeley Desktopのデータディレクトリーにある<your email>@www.mendeley.com.sqliteを選択
    Mendeley Desktopのデフォルトのデータディレクトリーは以下
    • Windows: %LOCALAPPDATA%\Mendeley Ltd.\Mendeley Desktop\
    • macOS: /Users/<username>/Library/Application Support/Mendeley Desktop/
    • Linux: ~/.local/share/data/Mendeley Ltd./Mendeley Desktop/
  9. ZeteroのPDF Readerを有効化する (編集 → 設定 → 一般 → Enable the Zetero PDF reader and new note editor (preview, My Library only))。

これで見れるようになりました。

ドアノブ用チャイルドロックをリミックスして3Dプリントしてみました。

子供が成長して、ドアを開けることができるようになりました。

喜ばしいことですが、開けて欲しくないところも開けてしまって困ります。

 

そこで見つけたのが以下のモデルです。

www.thingiverse.com

通常、子供 (特に幼児) や猫の場合、身長や器用さの問題でドアノブを下げてドアを開けます。

オリジナルのモデルの参考動画: 

www.youtube.com

レバー式のドアノブは、上に上げても、下に下げても開けることができたりします (ドアレバーによるかもしれませんが)。

このパーツをドアノブにつければ、下に下げることはできませんが、上には上げることはできます。これで子供は開けられずに大人だけ開けることのできるドアの出来上がりです。

 

なんと天才的なアイディア!つけてみよう!としましたが、これは一旦ドアノブをドアから外さなければいけません。外そうと試みましたが、うまくいきません。

ええい、改造してしまえ!と簡単にできるのが3Dプリンターの良いところです。

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