カスタマイズ可能な延べ板ハンコをOpenSCADで作って、3Dプリントしてみました。
はじめに
とある事情から役所向けの書類 10枚以上に名前、住所、電話番号などをひたすら書かなければいけなくなりました。
なんて先進的な国なのでしょう。
愚痴ってもしょうがないので、エンジニアリングで解決します。
Webで調べるとスタンプを押して、その苦境を乗り越えている人もいるようです。
なるほど、ではスタンプを3Dプリントしよう。
3Dプリント
適当にThingiverseで漁ると良い感じのモデルが出てきます。
OpenSCADでカスタマイズできるのでピッタリです。
フォントが日本語非対応なので以下の記事を参考に変更しました。
プリントしてみますが、印影がろくにでない...
ゲッソリしてぼやきツイートをしてみると、ちゃたろう (@ichizendad) さんから良いアドバイスを頂きました。
個人的にはPLAでアイロニングしてプリントした後に、目の細かい紙ヤスリで平面を整えたほうが印影は綺麗に出ると思います。
— ちゃたろう (@ichizendad) 2022年3月28日
TPUだとどうしても後処理で平面出しにくのでなかなか綺麗にはならないと思います☺https://t.co/oCYw0c1mSj
なるほど!
自分はアイロニングどころか、印面がxy平面にきていませんでした。
今のモデルだと、ハンドルが邪魔なので、延べ板状に変更します。
そこでプリントしてみると、文字が中途半端!
どうやら細すぎる構造は刷ってくれないようです (当たり前?)
細いノズルを変えても良いですが、面倒なのでフォントをBoldに変えて太字にします。
プリントして、アドバイスどおり、紙やすりで研磨しました。
このあたりを使えば良さそうです。
サンディングスティックはこのモデルを使いました。
今回の目的である住所などのスタンプはガッツリ個人情報でお見せできないので、「OK」という文字列のスタンプをプリントしてみました。
左が研磨前で、右が研磨後です。
良い感じに印影が出てますね。
このシンプルな文字と短い文字列だとあまり恩恵が感じられませんが、
住所のような複雑で長い文字だとかなり有効です。
一旦インクをつけてスタンプした後に研磨すると、どこが研磨できたかが分かりやすいです。歯磨きのプラークチェッカーと似てますね。
まとめ
カスタマイズ可能な延べ板ハンコをOpenSCADで作って (リミックスですが)、3Dプリントしてみました。
ポイントをまとめます。
- 印面をxy平面にする
- アイロニングする (CuraであればEnable Ironingにチェック)
- Previewでちゃんと文字がプリントされそうか確認する
- 紙ヤスリで研磨する
例によってThingiverseで公開しています。
元のモデルがShare-Alikeなので、Creative Commons - Attribution - Share Alikeで公開しました。